エスカレーター式に中学校に上がり、居住地から通える範囲で高校を選んできた高校生にとって、大学受験は大きなプレッシャーを感じるライフイベントになります。
それまでは決められたように進路選択をしてきた子どもたちが、学問として学びたい領域を選択し、それに応じた大学や学部を考えていきます。
数学や英語、社会といった「科目」を中心に勉強してきた子どもたちにとって、大学選びは未知なる領域として不安要素に溢れているはずです。
大学受験の結果次第でまるで人生が決まってしまうかのように恐怖におびえたり、何かに迫られているかのように睡眠時間を削って勉強したりと、精神的に不安定な状態になりやすい子どもが大勢いることも事実です。
大きな目標に向かって努力することは大切ですが、大学受験や大学選択についての正しい理解を促すことは、高校生が安心して勉強に励むことができる要因になります。
適度なストレスと緊張感を維持し、それでいて努力をする経験を与えてくれる大学受験は、周囲の教育者が適切な環境と知識を提供してこそ最大限に生かせるイベントだと言えるでしょう。